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健康とは何か−Eudaimonism

今回は、久々にゼミに参加した松岡沙紀子ちゃんがブログ担当です。

今日は木曜ゼミでした。
「健康とは何か」というテーマでのプレゼンテーション。


健康のモデルには

・Clinical Model(臨床モデル):「健康」とは疾患が存在しない状態。
・Role-Peformance Model(役割遂行モデル):「健康」とは、中心的役割(家族への責任、職業に関わる役割など)を果たす人間の能力。T.Personsが提唱。
・Adaptive Model(適応モデル):「健康」とは、個人と絶え間なく変化する自然的・社会的な環境との間に効果的で実りある相互作用が存在する状態。R.Duposが提唱。
・Eudaimonistic Model(幸福モデル):健康とは、個人の潜在能力が完全に発達した状態。目指すべき目標であり、努力して獲得するに値する価値。A.H.Maslowが提唱。

の4種類があり、ヘルスプロモーションはこれらを包含するものです。
臨床モデル<役割遂行モデル<適応モデル<幸福モデル の順で、広い概念になっていきます。

この4つ目のEudaimonistic Modelは、アリストテレスの提唱したEudaimonismを下地にした考え方です。

Eudaimonismとは、ギリシア語で「幸福」を指すEudaimoniaから生まれた言葉。「eu」は「幸せな」「健康な」「調和した」などを意味し、「daimon」は個人の精神を表します。
アリストテレス曰く、人間のあらゆる営みの最高目的は「最高善(=幸福・Eudaimonia)」です。幸福とは快楽を得ることだけではなく、人間の霊魂に固有の形相(事物に元からそなわっている原理)である「理性」を発展させることです。そのためには、中庸(mesotes)を守り、過大と過小という両極端な状態における正しい中間点を見極めることが重要です。

つまり、大まかには「健康であることは、幸福であること」と言い換えることができるかも知れません。

個人的には、健康や幸福ほど個人の主観に依拠した概念はないように思います。
もしそうだとした場合、「医学」は人々の健康や幸福に対して、何ができるのでしょうか?
少なくとも、患者の怪我や病気を治療して、患者を健康にした・幸福にしたと考えるならば、それは医学の傲慢さでしょう。医学は患者を健康に「する」ものではないのであり、「患者が健康に『なる』手助けをどのような形でできるか」、それが医学の取り組むべき問題であり、また取るべき姿勢であるように感じました。

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