« 楽しいホームページ | メイン | 気になる文献を探すのに便利なサイト »

評価について

こんにちは。いわいです。
7月7日、大阪で行われた日本健康教育学会のラウンドテーブルセッションで「健康日本21の評価の試み」というテーマで発表をしてきましたので、そのご報告です。

今回、発表ではNPO法人ウェルビーイングの関わった2地域の評価事例を報告し、
1.市町村における評価の目的はどこにおくべきか?
2.市町村おける評価方法はどのような方法で行うのが、効果的で実現可能であるのか?

という論点でディスカッションしました。
参加者は、行政3名、研究機関2名、大学4名、企業健診の担当者2名でした。

<評価全般について>
最初に「計画は、評価を前提においた計画でなければならないため、計画策定時に評価計画を立てる必要がある」、また、評価の目的は大事であるということも確認されました。

<評価の実施について>
評価の実施に関しては、「市町村の評価の際に保健所は何をしてたのか?」という意見も出されました。本来、市町村支援をするべき保健所がその役割をきちんと担えていないのではないか?という議論になり、今後は大学・保健所の関係者が市町村の保健師を育てていくことも大事ではないか?という意見が出されました。また、評価は担当者のみで行うのではなく、ワーキング・住民が入って一緒に行った方がよいという意見も出されました。

<評価の対象>
評価の対象に関しては、以下の意見が出されました。
・個人のライフスタイルの改善だけの評価でいいのか?
・地域の広がりの視点。住民運動としての評価。住民に実施したときの「やった」という達成感を感じてもらう。もり立てていく。
・医学的なデータは2次、3次的なもの。
・健康課題は10,20年で変化していくもの。
・簡易に評価できる方法・道具を使ってやれる身近な評価が必要。
・ 地域の状況、全体を掴んでの調査か、業務の対象としての調査かを考えておく必要がある。
・健診受診者はとりかかりやすい評価だが、偏りがある。

<計画の実施>
評価とともに計画の実施に関しても意見が出されました。
・結果を見せながら話をしていく。
・ものの見方、やり方としてモデルは使えるが、そのモデルを使うことに目的になってはダメ。
・家庭でできること、雰囲気を作ることが大事。
・健康日本21に関わったときに、住民にプレッシャーをかける場面(動員をかけるなど)を多くみかけた
・現場でやっている事業と結びつかない。実感としてやっている感じがない。

企業健診の担当者からは「企業での健診はデータの蓄積もあり評価はしやすい。今後は地域との連携があるともっと取り組みが可能になるとよい」、また、評価に力を入れている県の行政関係者からは、「評価のための評価になったという反省がある。シンプルでわかりやくできたのでは?と感じる」と評価が目的化してしまったという意見も聞かれました。

それぞれの現場での評価についての考えや思いが話し合えたラウンドテーブルセッションだったように思います。

来年の日本健康教育学会は、6月21日、22日に日本子ども家庭総合研究所で行われます。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.well-being.or.jp/weblog/mt-tb.cgi/357

コメントを投稿