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2008年6月24日

日本健康教育学会に参加しました。

こんにちは。いわいです。

6月21-22日に日本健康教育学会に参加しました。
学会については下記のホームページをご覧ください。
http://www.eiyo.ac.jp/jshep/

今回、おもしろかったのは、特別講演のフードファディズムと健康教育(群馬大学教育学部 高橋久仁子先生)でした。

フードファディズムとは、「食べ物や栄養が、健康や病気へ与える影響を過大に信奉することである(R.B.Kanarek & R.Marks-Kaufman)」と定義されるそうです。
記憶に新しいのは健康番組の影響で「痩せることを期待して」納豆の売り切れが続出した事件など、まさにフードファディズムです。地道な努力なく健康になりたい個人と売りたい企業、ときには健康被害をもたらすこともあります。今回、マスコミの健康情報ともとになった研究論文との比較なども交えながら具体的な話を聞くことができました。

印象に残ったのは・・・
フードファディズムは、地道な健康教育を妨害する
 地道な健康教育が、健康を煽る食品や食に対する期待や不安を扇動に負けてしまうことも・・・。
読んではいけない行間
 国語教育を受けてきた私たちは、宣伝の行間まで勝手に読んでしまい、良いように解釈してしまうそうです。例えば「燃焼系」と聞いたときに私たちは勝手に「体脂肪を燃焼させて痩せさせてくれるにちがいない」と解釈してしまいます。しかし、メーカーに問い合わせると、「燃焼系とは、『日常生活を完全燃焼させていただきたい』という意味です」と回答が戻ってくるそうです。書いていないことまで勝手に解釈してしまう・・・私も多々経験があります。

高橋先生はお話もとてもおもしろく、とても熱く語っている姿が大変印象的でした。高橋先生は著書もたくさん出されているそうなので、興味のある方は本を読んでみてくださいね。抄録で紹介されていた本は、「高橋久仁子.フードファディズム:メディアに惑わされない食生活.中央法規出版」です。

今回、発表は、昨年度実施した「小学生を対象とした『食の意識を育てる授業』プログラムの開発」について行いました。発表形式は、ラウンドテーブルセッションという60分間参加者の方と交流をしながら研究テーマに深めていく方法です。小学校の先生などにも参加していただき、実際授業で行った2次元イメージ展開法を体験していただきました。指導目標を明確にすること、「習得型」「活用型」の授業を組み合わせることが大切などいろいろな示唆をいただけました。

2日間、体力的には疲れましたが、楽しい学会でした。