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RT2 ホームレス支援活動

 大阪市のホームレス生活者数は「全国調査」(03)によると6603名であった。07年の調査では38%減で4069名であったが、長期化、高齢化とが目立っている。彼らの多くは釜ヶ崎という日雇い労働者の町で働いてきたが、高齢化し、失業し、野宿を強いられた結果である。過半が保険を有していない現状である。ホームレス者の口腔内の状態は、劣悪な状態に置かれている。
 我々が係わる調査によれば、一人平均の喪失歯数、および処置されないまま放置されているう歯の平均本数が顕著に多いことが示された。しかし、喪失、残根による咬合不全は「義歯」の作成により回復されることも提示された。
 05年10月に、複数団体の呼びかけの医療・法律・生活相談で歯科相談を担当し、以降各所で、医科と共に歯科相談を継続している。「支援統一行動」で実施した歯科相談で、意見書を発行し、何らかの形で過半が歯科治療にかかわりを持つ結果を得た。歯科治療では現在福祉行政では、野宿での医療扶助単給は原則認めておらず、意見書が、治療につながる上で重要な鍵となっていることが判明した。多くの歯科関係者が、ホームレス者のように、医療から疎外された対象者への感心を持っていただきたいと望んでいます。

医療法人南労会松浦診療所歯科・歯科保健研究会 渡邉 充春

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