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フッ素イオン導入とフッ素塗布ではどちらが効果があるのですか?

電気を通さない方が効果があります。
原理原則的にもそうですし、実際例からも確認されています。

原理原則的には、電気は流れやすいところを流れるということです。エナメル質、象
牙質、歯髄を通って一方の電極まで、あるいは濡れた歯肉を経由して一方の電極まで
流れる。どちらが流れやすいかということです。通電しなければ歯面に流れる電気を
無理矢理歯肉の方に流していることにもなります。

また、実際に通電と、電気を通さないフッ化物塗布と、ポジティブ・コントロールと
しての食塩塗布の3つを某小学校の1年から4年まで盲検的に追跡実施して、食塩塗布
群のう蝕罹患状況と比較して有意に低かったのは通電しないフッ化物塗布群でした。
通電タイプはう蝕状況が若干低かったのですが有意ではありませんでした(下記文献)。

装置を持っておられるのであれば、電気を通さないで使った方がよいでしょう。ある
いは、ゲルタイプに切り替えるのもいいでしょう。

木次英五、他:集団用フッ素イオン導入装置(フロリアート)によるう蝕予防効果.新
潟歯学会雑誌,7:42-48,1977.